「手のかたち」が伝えるもの
あれは、私が中学一年生だった頃のこと。
雑誌で可愛いルームランプを見たのです。
淡いピンクの、ふっくらした大きなハートを優しく捧げ持つ白い両手。
手首にはフリルのカフスが着いています。あれは、すりガラスで出来ていたのか、それともビスクだったのか…
私はそのランプをお年玉で買いました。
中に電球が入っていて、スイッチを入れるとピンクのハートと両手がぼうっと光ります。
妹と一緒の子供部屋が、急にお姉さんぽい雰囲気になったようで、嬉しくて嬉しくて!
ところが、そんな素敵なランプは一週間もしないうちに私の不注意からガチャン!と壊れてしまったのです。
泣くに泣けませんでした…
その頃から、私の「手のかたちをしたもの」への憧れは強くなっていったように思います。
身体のパーツの一部で、こんなに様々なかたちでモチーフとして使われているのは、手だけではないでしょうか。
ハンドモチーフは古くから魔除けやお守りとして用いられ、友情や想いやり、愛情をも表現してきました。
手と手で直接触れ合う機会が少なくなった今、「手のかたち」はかつてないほどに人と人とのつながりや
あたたかさを感じさせてくれます。
ハンドモチーフの雑貨で、あなたの暮らしに新しい表情を加えるお手伝いができたら幸いです。
店主 齊藤 麻衣
広島生まれ神奈川育ち。
骨董好きの父と可愛い雑貨が好きな母の元、
小さい頃からこまもの集めに精を出す。
手作り、野鳥や昆虫の観察、歌うこと、映画、広島カープ、
海外の怪奇短編小説、水族館や博物館、古い喫茶店が好き。
ハンドモチーフの魅力を多くの人に伝えるべく
工夫する毎日が楽しい、2男児の母。
夢はハンドモチーフの本を書くこと。